てんとうむし上尾は就労移行支援事業所を含めた多機能型事業所です。就労移行支援に通われている方は、2年を目安に就労を目指すことになります。

私は社会保険労務士でもありますが、その前は企業の人事総務として採用面接(新卒、中途)を行っていました。その時にどんな点に注意して面接していたか、少しお話したいと思います。(あくまで末端の担当者であった私の意見とその会社の例です)

その会社は、某大手求人サイトなどに求人を出すと、かなりの数の応募がありました。ちなみに、採用課金型でない大手就職・転職情報サイトの掲載料は相当します。おそらく想像されている以上です。ハローワークでは無料なわけですから、まずはそのことを知っていただき、それでも会社側がこうしたサイトに求人を出すという理由を考えてみてください。

実際に応募の局面になると、面接前に書類選考がある会社も多いと思います。

書類選考時、履歴書と職務経歴書を送付しますよね。送付された履歴書等は、封がされたまま、担当の末席(と言っても100名前後の中小企業なので、担当は2人しかいません)である私の机に運ばれて、私が開けていました。

封を開けると、大体は履歴書と一緒に送り状が一緒に入っています。
「このたびは何卒、面接の機会をいただけますよう・・・」といった送り状です。こうした送り状を添付して郵送いただくことが多いのですが、読んでいるかと言われるとほとんど見てはいません。履歴書の方が興味があるからです。
ただ、入っていないと気にはなります。

履歴書は「手書きが良いのか、Wordが良いのか」ということをしばしば聞かれます。結論としては、私の場合、手書きであってもWordで作成されたものでも特に気になりませんでした。

字が綺麗だと確かに「この人、字が綺麗」と思います。ただ、字が綺麗な方は結構おられます。私だったらWordで作成します。よほどのことがないと採否には影響しないと思いますし、Wordの方が楽で、印刷していくらでも作れるからです。つまり、好きに作ってOKだと私は思います。また、私が知る限り、写真を貼りつけていない履歴書で採用に至った人はいませんでした。

私が人事総務をしていた会社は少し特殊な業種でもあったので、新卒は主に専門学校から採用していました。そのため、中途採用の場でも、いわゆる「学歴フィルター」はありませんでした。ある会社はもちろんあると思います。

職務経歴書は当然、気になります。履歴書よりも気になります。
採用職種によると思うのですが、現業部門の採用の場合、私が最初に見ていたのは「前職の勤続年数」です。2年、2年、2年と続いていたら、「ウチも2年で辞めそう」と思うのは自然だと思います。

あとは「前職」と「前職」の間が空いていないか、つまり長期の空白です。半年程度空くと私は気になりました。面接に進めば、「この間は何していましたか」と高い確率で質問すると思います。つまり、これらについては担当者を納得させる回答を事前に検討しておくべきです。



面接のときには他にも様々なことを聞きますが、私は今でも最初の質問を決めていて、まず自己紹介をしてもらっています。

これは当時の上司(先輩)が必ずこのように進めていたからです。面接者側が大した準備をしていなくても自己紹介の内容を使って面接を進められる(何々が好きなんだー、へえー、そうなんだ的な進め方ができる)、という利点もありますが、意外にこの自己紹介というのは想定していない方が多いので、とっさの対応を見ることができます。ここで見るのは臨機応変さや言葉の選び方、自己の考えを表現して相手に伝えることができるか、という点です。

また、この時の反応は大きく分けて2つに分かれます。「困った、または照れた笑顔」が出る場合と「困った考え込んだ表情」をされる場合です。一概にどちらが良いというのではなくて、採用したい職種やポジション、職場に足りないキャラをイメージするため、私は注目していました。

次回は資格について書きたいと思います。