こんにちは!
埼玉県上尾市にある就労移行支援・就労継続支援B型の多機能事業所「てんとうむし上尾」施設長の白木です!

本日は少し真面目に障害年金のお話です!

「社会的治癒」とは?

「社会的治癒」とは、同一傷病において、医学的な観点からは治癒したとは言えなくても、問題なく社会生活を送れている時期が一定期間あった場合、その期間の前後を別々の傷病として取り扱う、とする考え方です。

これは障害年金請求上、非常に大きな意味を持つことがあります。

たとえば、障害年金には「納付要件」というものがあり、初診日時点において年金保険料の未納が一定以上あると、その時点で障害年金を受給することができません。
医学的な意味での「初診日」が変わることはありませんから、納付要件を満たさない場合は基本的に障害年金を受給することはできない、ということになるのですが、もし「社会的治癒」が認められた場合、社会的治癒期間の前後を「別々の傷病として取り扱う」ことになるため、社会的治癒期間「後」に初めて医師の診察を受けた日が障害年金請求上の初診日となり、納付要件を満たす可能性が出てきます。
つまり、障害年金を受給できる可能性が出てくる、ということになります。

就労要件と療養要件

では、社会的治癒はどうすれば認められるのでしょうか?
まず最初に断っておくと、そう簡単に認められるものではありません。「○○なら必ず認められる!」という明確な基準もありません。

上記が前提となりますが、社会的治癒が認められるポイントは2つ。
「就労要件」と「療養要件」です。

「就労要件」とは、そのまま読むと「就労できる(している)こと」となります。「就労していなければいけない」というわけではなく、「仕事もできるくらいに通常の日常生活ができるような状態である」ということです。

そして「療養要件」は、「投薬や治療を必要としない状態である」ということになります。ただし、予防的・維持的・経過観察的な投薬や治療であるならば、社会的治癒の成立を妨げない、とされています。

この2つの要件を満たす時期が一定期間あった場合、社会的治癒が認められます。「一定期間」にも明確な基準はないですが、目安としては5年程度と言われます。

障害年金は請求してはじめて受給できるものであり、どのような請求をするかは請求者自身に委ねられています。
ですので、どのような請求の仕方が一番良いのか、しっかり考えて請求しないと、知らず知らずのうちに不利な請求をしてしまう(または請求自体をあきらめてしまう)こともあります。

てんとうむし上尾では障害年金に関する相談もできますので、お気軽にご相談ください!